第五十一番 補陀落山
観音寺(臨済宗)
御本尊 十一面観世音菩薩
御真言 おんまか きゃろにきゃ そわか
御詠歌 きく人は 迷いの夢も さめぬらん ほだらく山の 松風の音
縁起
臨済宗妙心寺派に属し、桂雲禅師の中興開山で、人皇百七代御陽成天皇の御字、文禄年中宇品島巡守坂本宗味の中興開基である。本尊十一面観世音菩薩は、大同年中坂上田村麿公の守本尊で、御丈僅か一寸八分の金仏で、秘仏のため平素は厨子に入られていて閉扉されている。
この本尊は源平戦の際、西下の途中見失ったものが、後年この島の漕網にかかって曵き上げられたものと伝えられ、小栗観音と称しており、厄病・水難・火難・難産に対して霊験著しく、古くから一般庶民の信仰は申すまでもなく、藩主毛利輝元公、小早川隆景公も態々船を岸に繋ぎ尊像に礼拝し給うのが例であった。その後、福島、浅野藩となっても、常に当山に足を運び仏縁を結び、家内安全、子孫繁栄を祈ったと口伝されている。本堂に安置してある鬼子母神、弁財天の壮麗さは言いようもない程である。
平成十三年に奈良在住の石賀悟山大仏師により広島市へ、原爆犠牲者慰霊鎮魂のため光背を含む高さ約二メートルの十一面観音菩薩の寄贈の申し出があり奉安されている。
【巡拝ガイド】
交通便
広電電車 又は JR五日市下車
広電バス 五日市駅南口 東観音台行きにて「観音台入り口」下車徒歩7分
住所
〒731-5142 広島市佐伯区坪井町736 TEL 082-924-1340