第五十四番 吉祥山 遍照寺
多聞院(広島県真言宗教団)
御本尊 毘沙門天王
御真言 おん べいしらまんだや そわか
御詠歌 多からてう 仏法僧の 法のこえ 聞くこそいとど 楽しかりけれ
縁起
当山は詳しくは、金剛吉祥如意宝珠山光明遍照寺多聞天王院と呼び、本尊は後白河法皇御勅作の毘沙門天王である。治承年間(一一八〇年頃)高倉上皇厳島御幸の際にたづさえて来られ、安芸郡隠渡の浦畑村に多聞堂を建立奉安されたのが始めである。続く天文年間に高田郡吉田庄に移され、天正一八年には三滝山麓(今の新庄辺)に移された。更に十四年後の慶長九年(一六〇四年)福島氏の時に現在の地、東南に緑の山(比治山)がおおい、西北に清流京橋川を望むこの清浄の地に移築されて、今日迄四百年を経ている。福島正則公は特に当山第一世俊恵法師に国中の安泰祈願を懇請し、伝来の大師御真筆の金胎両界大曼茶羅を寄進し、今にこれを伝える。昭和四十一年に、虚空蔵菩薩を本尊とする大本堂が再建され、平成九年には毘沙門天本堂の再建立をみて本尊を奉安、共に福徳智恵円満成就の佛として祈願がなされている。
【巡拝ガイド】
中央コースの巡路 55長性院→ 54多聞院→ 69普門寺交通便
広電 広島駅発宇品方面行「比治山下」下車広電 宇品発広島駅方面行「比治山下」下車