第十四番 紫雲山 光照院
誓願寺(浄土宗西山派)
御本尊 阿弥陀如来
御真言 おん あみりた ていせい からうん
御詠歌 観音の 三滝のぼれば 誓願寺 心にふかく 願みきにけり
縁起
天正一八年(一五九〇)十月十五日、開祖策伝上人の意向を受けた戦国武将毛利輝元公が、材木町・現在の平和公園の地に開基した。
江戸時代には灯明番として妻帯寺一六坊があり、約三千二百余坪の境内地には、本堂をはじめとする諸堂宇が建ち並び、天智天皇の御宸筆を掲げる大門は有名であり、戦前、戦中の広島っ子は「大きいのは誓願寺の門」との比喩を語り伝えた。
池に亀、伽藍には鳩が多く、市民に親しまれていたが昭和二十年八月六日の原爆で廃燼に帰した。
その後、昭和三十八年に現在の西区三滝本町に再建した。
誓願寺の本尊阿弥陀如来像は室町時代の作である。境内には毛利元道公寄進の昭和天皇お手植えの松や法然上人お手植えの孫銀杏、五つ子の名付けで有名な京都清水寺大西良慶貫主ご染筆の門柱、被爆した水盤石、そして安楽庵策伝好みの茶室「策伝庵」ゆかりの茶道具がある。