第二十番 瑠璃山
医王寺(真言宗)
御本尊 薬師如来
御真言 おん ころころ せんだり まとうぎ そわか
御詠歌 仰ぐかな 小田の阿戸の 杉薬師 るりのみひかり とわにかがやく
縁起
当山の開基は不祥なれど「杉御薬師由来」と伝う古文書を、口語文に訳し、不本意ながら頁の制限等で止むなく縮文したものです。 此の杉御薬師と云うは、昔此の地、広野の草むらで草木がお蔽い茂った中に大木の杉が一本あったが、一夜にうちに失せ翌日近里の人が不審に思って是を見に来たならば其の杉変じて数多くの霊像となり、其の切り口に松の枝一本さしてあるのに人々は驚いて、四方の名師高僧に問い尋ねたところ此像本尊は薬師如来、脇主は観世音、大勢亦一二神等で其れは行基菩薩の作と仰せられ、それより一宇を建立して老若男女貴賎群衆こぞって尊敬し奉ると申し伝えられる。
又此地は太田川のほとりで洪水で数度流れども本尊他全部、川下の小高場処に集居す。
又行基のさされた松枝は生木となり度々の洪水に横たわりながらも大木として尊前に残るそれは洪水をうれい高知へ御身体を移安置せんとするも、うかがいの吉報おりず、松とのゆかりありと思いあたりここに置くと伝えられる。尚諸病消除、身心安楽、七難即滅、七福即生を授かる者数多、真に灼なりと、干時、元禄十六年 未 三月八日
【巡拝ガイド】
安佐コースの巡路 19毘沙門堂→ 20医王寺→ 21福王寺交通便
タクシー J R可部駅より10分(600円)バスセンター、広島駅、八丁堀より可部方面行「可部中央」下車徒歩5分 (太田川の土手道に向って住木店のJR踏切を渡ると、100mで二十番医王寺の杉が見える)