第三十番 北谷山
鵜上寺(曹洞宗)
御本尊 十一面観世音菩薩
御真言 おん まか きゃろにきゃ そわか
御詠歌 鵜の山に 光りて在す 観世音 永久の恵みに 浴しまつらん
縁起
延喜年間に創立せられた惣社大明神の本地仏を、当地の名族薮之内家の先祖が、勧請したものである。
明治十五年政府によって社寺の廃合整理が行われた際、当寺も危うく廃寺の運命におかれたが、薮之内家の子孫薮之内直吉氏、長福寺住職南山遷外和尚、府中村長西尾生一郎氏の三者がその存置方を時の県令千田貞暁氏に願い出て聴きとどけられ廃寺を免れて今日に至ったものである。
鵜上寺というのは往古このあたりは海に近く、海鵜がこの台地に住みついていた因縁によるものである。今もこの台地を鵜山という。当寺の下の原田邸には、屋敷神として鵜がまつられている。