第三十七番 金澤山 千手院
並瀧寺(真言宗御室派)
御本尊 千手観音菩薩
御真言 おん ばざら たらま きりく
御詠歌 見はるかす みどりの湖 並滝の 水の面に溢るる み仏の慈悲
縁起
当寺は真言宗室派に属し、天平五年(七三三年)聖武天皇の勅願により、行基菩薩の開基と伝えられる古刹で、往昔は七堂伽藍四十八坊の末寺と、広大なる寺領を有し、また学問の府として全国に知られ、大勢の学僧を抱える大寺院として栄えていた。以後幾多の兵火や風火災に遭い、次第に規模を狭め、その後、明治八年(一七七一年)に本堂が再建され、また、境内の堂宇も順次再建されて現在の寺観が整った。
本堂に千手観世音菩薩(行基菩薩の作)地蔵殿に延命地蔵菩薩(市重要文化財)が安置されており、特に病気平癒、安産の霊験あらたかな本尊として広く信仰され、祈願の参拝者が絶えません。また付近一帯は、山の緑が美しく、春の梅・桜、初夏の紫陽花、秋の紅葉と四季折々の花が咲き参拝者の心に静かな安らぎを与えています。
呉へと流れる黒瀬川の源流としても有名で、特に四月二十四日の大祭には、水に感謝と遠近より多く参詣される。