第三十九番 松尾山
光政寺(広島県真言宗教団)
御本尊 千手観世音菩薩
御真言 おんばざら たらま きりく
御詠歌 あし花の 咲けるかこれに 出ぬより 千代も苔むす 木原城の里
縁起
文亀三年 白山城主 平賀弘保が平賀家菩提寺として建立し寺領五十石を有していたという。慶長五年(西暦一六〇〇年)関ヶ原敗戦により毛利氏防長移封の際、平賀元相とともに長州に赴き爾来廃寺となり、堂宇腐朽し本尊仏は古松の間に埋没していたものを平賀家末裔木原作右衛門夢想により僅かに頭部を掘り出したと伝う。
この本尊頭部を胸部に納め新たに観音像を「湛慶」仏師により刻したものと伝える。堂宇は三間(約四m)四面であるが、元禄時代の建築美を残し木材は栗、つが、けやき等を主材とし、木曾材を京都で細工し、竹原港経由で運搬したものという。
堂西側に三十三体観音像、奥左側に元禄時代作 平賀光政公木像、奥右側に弘法大師木像があり、その傍らの位牌に木原美濃守保成永禄五年とある。本尊千手千顔観音菩薩は総身金箔で光沢美しく名仏師の作を忍ばれる。
【巡拝ガイド】
賀茂コースの巡路 38国分寺→ 39光政寺→ 40竹林寺交通便
JR 山陽本線「白市駅」下車、徒歩30分タクシー 5分(650円位)