第八十六番 龍上山 西方寺 宝寿院(真言宗御室派)
御本尊 阿弥陀如来
御真言 おん あみりた ていせい からうん
御詠歌 渡海して あらはれ給う 阿弥陀仏 衆生さいどの 願ひひとすじ
縁起
天慶九年(九四六年)開基と伝えられる真言宗の古刹である。本尊阿弥陀如来は海中より出現されたもので、当院縁起に「往古此の浦に夜な夜な光るものあり。人々いぶかしみて漁夫に網を投入せしむるに、坐像一尺二寸の木像の阿弥陀仏を得たり。諸人歓喜して帰依渇仰の思いを致す。これより此の浦を網之浦と称す。」とあり、朝廷より五穀を、幕府より扶持を賜わり、また宝寿院専用道路を拝領し、多くの末寺を有していた。 また、宮島の真言宗では唯一の檀家を有する寺院で、境内には朝廷、徳川家の尊信篤く、天子より日本一の位を賜りました霊尊聖天堂がある。この聖天堂より自然散策道に向けて進むとすばらしい景色のところに出る。ここには、馬酔木が群生し、朱の鳥居、五重塔などの宮島らしい景色を望むことができる。なお、本堂、庫裡は五百年以上を経た建物であり、多くの仏像、仏画(密教仏画が多い)古文書などを所蔵している。