第八十七番 多喜山 水精寺 大聖院(真言宗御室派)
御本尊 波切不動明王
御真言 なうまくさんまんだ ばざらだん せんだん まかろしゃだそわたや うんたらた かんまん
御詠歌 三毒の もゆるほのおの中に立ち 救いたまえる 慈悲の明王
縁起
大同元年八○六年、弘法大師の開基と伝えられる関西屈指の名刹にして、遠く鳥羽天皇勅願道場以来、近くは明治十八年大帝御行在まで、歴代皇室との因縁深く、明治維新までは十二坊の末寺と、三百石の寺領を有し、厳島神社の別当職として祭祀を行っていた厳島の総本坊である。殊に天正年間には、御奈良天皇の御猶子で、京都総本山仁和寺第二十世門跡、一品任助法親王が止住せられていたが、天正十二年御薨去あそばされてより西の御室と称し、脇門跡座主阿闍梨の称号を賜う。総欅造りの本堂には、豊臣秀吉公朝鮮出兵の砌、軍船宝丸に安置して必勝と、海上安全を祈念した波切不動明王を祀る。観音堂の本尊十一面観世音菩薩は、行基菩薩の作と伝え、厳島大明神の御本地仏である。摩尼殿は、重層宝形造の拝殿と、奥殿、神殿の三殿より成り、福寿の殿堂として参詣者が絶えない。菩提所には、阿弥陀千体仏を祀る。中興恵光大僧正が再建された伽藍宏壮を極める大本山である。
【巡拝ガイド】
宮島コースの巡路 88弥山本堂 〜ロープウェイ〜87大聖院→ 1大願寺交通便
JR 「宮島口駅」下車、航路にて10分、宮島桟橋より徒歩15分厳島神社廻廊出口より徒歩5分