第八十八番 多喜山 水精寺 弥山本堂(真言宗御室派)
御本尊 虚空蔵菩薩
御真言 なうぼう あきゃしゃ きゃらばや おんあり きゃまりぼり そわか
御詠歌 おみせんに 輝く星のきらめきと さとしたまえる 智恵のみほとけ
縁起
宮島の中心をなす霊峰弥山は、大同元年(八〇六年)秋、弘法大師が御開創になり、山容が唐の須弥山に似ているところから弥山と命名され、自ら一百日間の求聞持の秘法を修せられた霊跡である。当時の護摩の火は、約一千二百年の今日まで、絶えることなく燃え続けている全国唯一無二の霊火であり、広島平和公園の「平和の灯」の元火になっている。山内には大師の遺徳をしのぶ多くの聖跡があり、原始林にかこまれて奇岩怪石も多く、頂上からの展望は壮観雄大で言語に絶し、宮島の真価はここに登ってはじめてこれを知り、これを語るべきである。特に鎮守三鬼大権現は、福徳、智恵、降伏の徳を備えた霊験あらたかな守護神で、大小天狗を眷属に従えて威大な神通力で衆生を救われる全国唯一の鬼神である。真言行者の秘密練行場である求聞持道場は、阿波の大竜嶽、土佐の室戸崎と共に、日本三大道場の一つである。平宗盛寄進の大梵鐘を初め、数多くの堂塔伽藍が偉容を誇る本坊大聖院の奥の院であり、打止めに適した霊山である。
【巡拝ガイド】
宮島コースの巡路 2法泉寺→ 宮島口〜フェリー〜ロープウェイ〜88弥山本堂 〜ロープウェイ〜87大聖院交通便
JR 「宮島口駅」下車、航路にて10分、宮島桟橋より徒歩15分ロープウェー(20分)→弥山(終点獅子岩駅より徒歩20分)